障害者支援
【参加報告】国連障害者権利条約(CRPD)20周年記念フォーラム|高齢化×障害の未来モデルを日本から

2026年10月21日・22日、羽田空港第1ターミナル ギャラクシーホールで「国連障害者権利条約(CRPD)20周年記念フォーラム」が開催され、株式会社Nextwel代表取締役・日野信輔が石川県代表の一人として参加しました。
国連障害者権利委員会副委員長や国際障害同盟(IDA)などの国際ゲストが集まった2日間で最も重要だった論点は、「65歳以上が人口の29.6%を占める日本は、世界がこれから直面する課題に最初に向き合っている」という構図です。
本記事では、フォーラムの概要や企業が今できることをお伝えします。
この記事の要点
CRPD採択から20年。条約は整ったが、日本の現場への実装はこれから
世界が日本を見る理由は「進んでいるから」ではなく「高齢化×障害の課題に最初に向き合っているから」
DX・AI班で共有された地方の課題は、当社が北陸で3年間見てきた現場と一致していた
成果「未来への提言」は国会議員との意見交換会と政府提言、2027年の東京サミットへつながる

国連障害者権利条約(CRPD)20周年記念フォーラムとは何か?
CRPD20周年記念フォーラムは、条約の理念を日本の現場の具体的な変化につなげることを目的に、一般社団法人PEACE INCLUSION PIECE(PIP)が主催した2日間の国際フォーラムです。
テーマは「世界基準を、日本の現場へ。高齢化×障害の未来モデルを、日本から」。国際機関、国際的な障害者団体、国内の関係団体、障害当事者、行政、企業、医療・福祉・教育関係者が集まり、1日目は10のテーマ班に分かれたグループワーク、2日目は10班の成果を統合した「未来への提言」の策定が行われました。
名称:国連障害者権利条約(CRPD)20周年記念フォーラム
開催日時:2026年10月21日(水)13:00〜20:00/10月22日(木)10:00〜13:00
会場:羽田空港 第1ターミナル6階 ギャラクシーホール
主催:一般社団法人PEACE INCLUSION PIECE(PIP)
主な内容:国際ゲスト講演、10テーマのグループワーク、「未来への提言」の策定・発表、懇親会

参加した主な国際ゲスト
フォーラムには、条約の実施を世界レベルで担う次の組織からメッセージ・講演が寄せられました。
国連障害者権利委員会 副委員長 アマリア・ガミオ・リオス氏
国際障害同盟(IDA、182か国・5,500以上の団体を代表)副事務局長 ジャロッド・クライン氏
Zero Project エグゼクティブ・ディレクター ロビン・ティム・ワイス氏
アジア太平洋障害者フォーラム(APDF)議長 リム・プアイ・ティアック氏
世界保健機関(WHO)欧州地域事務局 シリン・キアニ氏

なぜ「高齢化×障害の未来モデルを日本から」なのか?
日本は主要国で最も高齢化が進み、65歳以上が人口の29.6%を占めるため、世界がこれから直面する課題に最初に向き合う立場にあるからです。
IDAのメッセージでは、日々の支援を担う家族の多くがすでに高齢期を迎えている日本の現状に触れ、「支援の財源をどう確保するのか。誰がその支援を担うのか。すべての地域に、どう届けるのか」という問いが示されました。この問いに日本が答えを出せれば、それはそのまま世界のモデルになります。
当社は、この構図を今回のフォーラムで最も重要な論点と受け止めました。世界が日本を見ているのは、日本の制度が進んでいるからではありません。課題に最初に直面している国だからです。だからこそ、日本の地域の現場で生まれる実践には、国内にとどまらない価値があります。

株式会社Nextwelはフォーラムにどう関わったのか?
代表取締役・日野信輔が石川県代表の一人として参加し、グループワークでは「DX・AI・テクノロジー」班に加わりました。
懇親会では、国内外のゲストに向けて1分間のプレゼンテーションを行い、石川県加賀市で運営する在宅DX特化型の就労支援と、2026年10月に羽咋市で開設するサテライトオフィスによる能登での取り組みを紹介しました。

フォーラムの成果「未来への提言」とは?
「未来への提言」は、10班のグループワークの成果を統合し、日本の障害者インクルージョンの次の行動を示す提言です。5つの柱で構成されます。
フォーラムのパンフレットで示された5つの柱(構成案)は次の通りです。
移動のアクセシビリティと地域での自立生活
インクルーシブ教育・雇用・経済的自立
健康・生活・人権・社会参加
AI・テクノロジーと誰ひとり取り残さない防災
国際協力と世界基準の実装

この提言は、10月23日に国会議員会館で開催される議員との意見交換会、さらに日本政府への提言へとつなげられます。
そして2027年に東京で開催されるGDS世界障害者アジアサミットにおいて、日本がどのような変化を生み出し、アジアの国々と何を共有するのかを世界に示す土台となります。
企業は障害者雇用で、今何ができるのか?
企業が今できるのは、障害者雇用を法定雇用率への「制度対応」ではなく、在宅やDXを前提に業務を設計し直し、「戦力」として迎える準備を始めることです。
フォーラムで示された「保護主義的なアプローチからの脱却」「本人が望む働き方と能力を発揮できる機会の保障」は、企業の雇用現場でこそ実装できます。当社は、受け入れ・才能発掘、在宅IT訓練、企業接続・BPO受託、就労後の定着支援までを一気通貫で支える就労インフラ「キサイワークス」を通じて、全国3,000名以上の障害のある方々と企業をつないでいます。
条約は変わりました。現場は、ここからです。高齢化×障害の未来モデルを日本から、そして北陸から示していくために、当社は講演・情報発信・事業を通じて取り組みを続けてまいります。
よくある質問(FAQ)
Q. CRPD(障害者権利条約)とは何ですか?
CRPDは、障害のある人の人権と社会参加を保障する国連条約です。2006年に国連総会で採択、2008年に発効し、日本は2014年に批准しました。
障害のある人を「支援される対象」ではなく「権利の主体」として位置付ける点が核心で、"Nothing About Us Without Us"(私たち抜きに私たちのことを決めないで)という理念で知られています。
Q. CRPD20周年記念フォーラムの主催者はどこですか?
日野が事務局を務めている一般社団法人PEACE INCLUSION PIECE(PIP)です。
2026年10月21日・22日に羽田空港第1ターミナル ギャラクシーホールで開催され、国連障害者権利委員会、国際障害同盟(IDA)、WHO欧州地域事務局、Zero Project、アジア太平洋障害者フォーラム(APDF)などの国際ゲストが参加しました。
Q. GDS世界障害者アジアサミット2027とは何ですか?
2027年に東京で開催予定の、障害者インクルージョンをテーマとする国際サミットです。
一般社団法人PEACE INCLUSION PIECEが主催し、2026年に全国各地で開催された講演会やCRPD20周年記念フォーラムの成果を、日本からアジア・世界へ発信する場と位置付けられています。
Q. 株式会社Nextwelはフォーラムにどのように関わりましたか?
代表取締役・日野信輔が石川県代表の一人として参加し、グループワークでは「DX・AI・テクノロジー」班で議論に加わりました。
懇親会では国内外のゲストに向けて、石川県加賀市と能登(羽咋市)で進める在宅就労支援の取り組みを1分間でプレゼンテーションしました。
Q. 障害者雇用について、企業はNextwelにどんな相談ができますか?
業務の切り出し、在宅・リモートでの障害者雇用の設計、就労後の定着支援、業務の外注(BPO)からの試験的な開始などを相談できます。
全国3,000名以上の障害のある方々のネットワークと、石川県加賀市の在宅DX特化型就労支援の実績をもとに、受け入れから定着までを一気通貫で支援します。
まとめ
CRPD採択から20年、条約は世界の規範を変えました。しかし日本の現場への実装はこれからであり、高齢化と障害が重なる課題に最初に向き合う日本の実践には、世界に示す価値があります。
当社は、今まで培った「通わなくても働ける」仕組みを、その未来モデルの一つとして全国へ広げてまいります。
企業・支援機関・教育機関の皆さまへ
「障害者雇用を制度対応で終わらせず、戦力にしたい」「在宅・リモートでの雇用を設計したい」「まずは業務の外注(BPO)から試したい」。
そのようなご相談を随時お受けしています。DX人材育成×障害者雇用にご関心のある企業さまは、お気軽にお問い合わせください。